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作品瞳01:戦争が起こり、ほぼ全てのものが無くなった。その世界には私以外に二人の人が居た。
 一人は裕福で親が子を思い戦争が起こっても生きれるように可能な限りのものを残し親の想いで生き残った。
 もう一人は私と同じ。ただ偶然生き残った人だった。

作品瞳02:残りの二人はどちらも異性だった。私の生きていた世界では二人とも選ぶのは常識ではなかった。だから私は選択した。
 裕福な彼女はマナーもしっかりしており、生活できる空間すらある。もう一人は私より貧しい暮らしをして格好もひどいものだった。

--追記--
 裕福な人は貧しい人に私を取られることを恐れたのか家に入れたがらなかった。その気持ちは理解できる。でもこういう時こそ協力したほうがいいんじゃないか…?しかし自分が大事にすると決めた相手の気持ちを優先することにした。
--

作品瞳03:裕福な人と一緒にすることを決めた私は幸せな生活をしていた。子供も生まれ少しの希望が持てた。
 そんな時残っていた爆弾が近くで爆発した。私は子供を失い、生活する場所も失った。
 子供が退屈そうだから外に出てみようかという話になった。それが岐路だったのかもしれない。子供が走り回った先に残っていた爆弾があり爆発した。
 住んでいた建物自体は残っている。でもどこかの配線が切れたのか全く機能しない。直すすべも知らない。私は子供を失い、生活する場所も失った。

作品瞳04:裕福な人は辛い生活を今まで経験したことがなかった。子供を失ったこともあり、その辛さにだんだん耐えられなくなりストレスから私の眼を引っ掻いてしまった。
 そして私の眼は光すら失った。

作品瞳05:私は裕福でなくなった彼女から離れることにした。しかし眼すら見えない。私はもう限界だった。
 そんな時に貧しい人が現れ水をくれた。私は心から感謝した。ふと思う、ずっとどうやって生きていたのだろう。

--追記--
そしてわかる、貧しい人は泥をすするように生きていたのだ。
--

作品瞳06:目が見えなくなったおかげで、貧しい人の格好は全然気にならなかった。
 貧しい人は目が見えない事を分かってくれてつまずいたりしないように手を持ってくれた。

--追記--
爆発した時にできた傷が痛む。でも彼女の行為がそれを和らげてくれた。
--

作品瞳07:幸せな暮らしをしていた時貧しい人の事を考えた事はほとんどなかった。
 一緒にいる事で、昔から生きる事すら困る生活をしていてマナーなど学ぶ機会すらなかったことを知る。

作品瞳08:私は何故貧しい人を選ばなかったのか。何故もっと早く気付けなかったのか。
 裕福な人が悪かったわけじゃない。ただあまりにも辛い生活をしたことがなく、ただ耐えられなかっただけだ。それも分かる。

作品瞳09:何故私はこの人生になってしまったのだろう。例え過去に戻っても今の記憶がなければ同じ選択をするだろう。
 もし私の眼がずっと見えたら、見えるように戻ったら、貧しい人の今までの行為は霞んで見えるのだろうか。

作品瞳10:貧しい人は私の眼を治る事を望んだ。そしてほとんど病気になったことがないと言っていたのに熱をだし眠っていた。
 神よ、私の眼は二度と見えなくていい。だから彼女を幸せに……してあげてください……。私の眼からは涙がこぼれた。

--追記--
その言葉はもはや声ですらなくただの泣き声の様なものだった。
--

作品瞳11:眠りながら彼女は言った。
 「私は……幸せだよ……」
 私の心からの言葉が夢の中で彼女に伝わったのかは分からない。私は彼女に寄り添うように永遠の眠りについた。
 それは戦争の後に起こった出来事だった。
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